調査会社のノークリサーチは2015年7月27日、中堅・中小企業におけるサーバー仮想化の実態と展望に関する調査結果を発表した。それによると、年商500億円未満の中堅・中小企業で、今後1年以内に新規導入または刷新・更新するサーバーに対し仮想化を適用する予定があるとする回答は55.4%に達した。

 その内訳は、「最初からサーバー仮想化の仕組みが備わっており、実際に活用している」が34.8%、「購入時にサーバー仮想化の仕組みを別途導入し、実際に活用している」が20.6%(図1)。同社では、年商5億〜50億円の中小企業クラスでは、サーバー仮想化の意向が比較的高いと指摘。既に導入済みのサーバー環境に対しても、サーバー仮想化のメリットなどを訴求できる可能性があるという。

図1●年商500億円未満の企業のサーバー仮想化適用状況(出典:ノークリサーチ)
図1●年商500億円未満の企業のサーバー仮想化適用状況(出典:ノークリサーチ)
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 同社はまた、サーバー仮想化の活用状態と、ハードウエアスペックや単価との関係についても調査。具体的には、サーバー仮想化の適用状況ごとにメモリー容量の平均値を算出した(図2)。その結果、「最初からサーバー仮想化の仕組みが備わっており、実際に活用している」企業では、メモリー容量の平均値が43.4Gバイトと非常に高く、一方で、「サーバー仮想化の仕組みは全く導入しておらず、活用もしていない」企業では26.5Gバイトだった。このことから、何らかの形で仮想化の仕組みを備えているサーバー環境では、メモリー容量も多く高価なサーバーが導入されている傾向があることが明らかになった。

図2●新規導入または刷新/更新するサーバーのメモリー容量(出典:ノークリサーチ)
図2●新規導入または刷新/更新するサーバーのメモリー容量(出典:ノークリサーチ)
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 また、今後1年以内に新規導入または刷新/更新するサーバーにおいて利用するサーバー仮想化ミドルウエアを尋ねたところ、「VMware vSphere」と「Microsoft Hyper-V」が拮抗しているという(図3)。両方を合計した割合は60.5%に達した。ただし、「サーバー仮想化ミドルウェアは不明」という回答が24.4%存在している点にも留意しておく必要があるという。

図3●年商500億円未満の企業が活用しているサーバー仮想化ミドルウエア(出典:ノークリサーチ)
図3●年商500億円未満の企業が活用しているサーバー仮想化ミドルウエア(出典:ノークリサーチ)
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