米IDCが現地時間2015年7月29日に公表した世界のタブレット端末市場(2-in-1型を含む)に関する調査によると、同年第2四半期(4~6月)の出荷台数(速報値)は4470万台となり、前年同期から7.0%減少した。同四半期はハードウエアの技術革新があまりなく、新製品の市場投入も限定的だったため、前の四半期からも3.9%減少したとIDCは指摘している。

 タブレット端末の四半期出荷台数は、米Appleが初代「iPad」を発売した2010年以来一貫して前年超えが続いていたが、昨年第4四半期(10~12月期)に初めて前年実績を下回り、その後も前年割れが続いている。

 2015年第2四半期のメーカー別出荷台数を見ると、Appleが1090万台(市場シェアは24.5%)で首位を維持した。これに韓国Samsung Electronicsが760万台(同シェア17.0%)で次ぎ、そのあと中国Lenovo Group(聯想集団)の250万台(同5.7%)、中国Huawei Technologies(華為技術)の160万台(同3.7%)、韓国LG Electronicsの160万台(同3.6%)と続いた。

 このうち首位のAppleの出荷台数は前年同期から17.9%減少、2位のSamsungは同12.0%減少した。一方でLenovoは同6.8%増、Huaweiは同103.6%増、LGは同246.4%増となった。

 IDCによると、LG、Huawei、米E FUNといったメーカーがそれぞれの市場分野で出荷台数を伸ばす中、AppleとSamsungを合わせた市場シェアは前の四半期の45%から41%に低下した。このうちLGとHuaweiはセルラー対応の端末が伸び、E FUNは大型端末や2-in-1型の分野で出荷台数を伸ばした。とりわけ、Huaweiが初めて上位5社に入ったこと、E FUNが1年以上ぶりに上位10社に入ったことは特筆すべきで、タブレット市場はメーカーの勢力図に変化が表れていると、同社は指摘している。

 同社によると、タブレット市場は、買い替え周期の長期化や、大型スマートフォンとの競争激化といった要因で減速傾向にある。ただし2-in-1型のようなより新しいフォームファクタの製品や、iOS 9に見られるような新たなプロダクティビティ機能によって、活気を取り戻せる可能性があると、同社は指摘している(関連記事:Apple「iOS 9」を発表、Proactive機能やiPad専用マルチタスク機能など)。

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