図●国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測:2014年~2019年
図●国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測:2014年~2019年
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 調査会社のIDC Japanは2015年7月29日、国内の仮想化ソフトウェア市場に関する調査結果を発表した。それによると、2014年のバーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場規模は、前年比17.0%増の522億9200万円に達した()。

 同社では、2014年~2019年にかけて同市場が年平均11.8%で成長すると分析。2019年には、913億円に達すると予測した。一方、2014年の国内バーチャルクライアントコンピューティング市場規模は、同9.8%増の228億2900万円。2014年~2019年にかけて、同市場は年平均7.8%で拡大するという。

 同社は、2014年のバーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場について、大手企業におけるプライベートクラウドの構築や仮想基盤の拡張、中堅中小企業でのサーバー仮想化の導入増加によって高い成長を達成し、500億円を突破するまでに拡大したと指摘。この市場で約90%のシェアを持つヴイエムウェアが、2013年に続いて売上を大きく伸ばし、市場成長をけん引したという。同社は、2015年以降も2桁成長が継続し、これまで市場成長を支えてきたハイパーバイザーに加え、新たにOpenStackに代表されるクラウドシステムソフトウェアの導入が徐々に拡大していくと分析している。

 一方、クライアント仮想化ソフトウェアである国内バーチャルクライアントコンピューティング市場では、プレゼンテーション仮想化を実現するバーチャルユーザーセッション市場が約75%を占めているという。同社では、同市場が2014年に同9.6%増の171億8200万円に達し、底堅い成長を維持したと分析。一方で、デスクトップ仮想化を実現する統合仮想デスクトップ市場は同9.1%増の42億9600万円。2013年は20%以上の高い成長率だったが、2014年は大型案件が少なく、あわせてDaaS(Desktop as a Service)の台頭もあり、成長率が鈍化した。

 また、バーチャルユーザーセッション市場と統合仮想デスクトップ市場では、ともにシトリックス・システムズが、シェア1位を獲得したという。同社では、バーチャルユーザーセッション市場が2014年~2019年にかけて年平均6.5%で成長すると分析。統合仮想デスクトップ市場についても年平均12.5%の成長率を維持すると予測しているが、高コストの問題やDaaSへのシフトなど市場成長を阻害する不安要因もあるという。

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