図●データベース監査・保護市場規模推移および予測
図●データベース監査・保護市場規模推移および予測

 調査会社のアイ・ティ・アールは2015年7月28日、情報漏洩対策分野のセキュリティ市場の調査結果を発表した。それによると、2014年度のデータベース監査・保護に関するセキュリティ製品市場は、ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件を契機にデータベース・セキュリティへの注目度が高まり、前年度比33.2%増と急成長。2015年度も同22.0%増の高い伸びとなると予測した()。

 今回の調査は、データベース監査・保護のほか、DLP(Data Loss Prevention)、ディスク暗号化、IRM(Information Rights Management)、クライアント監視、メール誤送信防止、SIEM(Security Information and Event Management)の全7分野が対象。そのうち、データベース監査・保護製品とは、データベースへのアクセスやデータベース上での処理操作に関する履歴をログデータとして専用の管理サーバに収集・保管し、必要に応じて分析を行うもの。事前に定義したポリシーに基づいた監視や監査を実行する。昨今では不正なSQLアクセスを解析・ブロックする機能を備える製品も登場してきているという。

 同社では、データベース監査・保護製品が、これまでは大手金融業を中心に導入されてきたことを指摘。それが、ここにきて幅広い業種で導入・検討が進められているという。そのため、2014年度から2019年度にかけて、同市場は年平均14.1%の高い成長率を示すと予測している。

 一方、同社はデータベース監査・保護以外の個別製品についても市場動向を発表した。それによると、DLPでは、2014年度にシマンテックの売上減で市場が微増にとどまった。2015年度は、新規案件の増加で市場は拡大傾向にあるという。

 ディスク暗号化の2014年度の市場動向は、新規導入が不調で市場は横ばい。2015年度も微増で推移すると見込まれている。IRMは、2014年度に製造業以外の業種での導入が拡大し15.6%増の大幅な伸びとなった。2015年度も高成長を維持するという。クライアント監視では、2014年度にエンカレッジの高成長から10.7%増。2015年度も着実な伸びと分析している。メール誤送信防止では、

 メールシステムのSaaS移行増加を契機に導入企業が増加しているという。2014年度は、25.0%の大幅増となり、2015年度も堅調推移が見込まれている。SIEMでは、2014年度はサイバー攻撃対策需要が拡大し26.4%の大幅増。2015年度も12.7%増と高成長が継続する見通しだ。

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