画面●国内製造分野の資本金規模別タブレットソリューション売上額予測
画面●国内製造分野の資本金規模別タブレットソリューション売上額予測

 調査会社のIDC Japanは2015年7月21日、国内製造分野(以下、製造業)向けのタブレットソリューション市場に関する調査結果を発表した。タブレットソリューション市場とは、タブレット端末本体、その導入に付随する付帯設備、アプリケーション、サービス、保守費用などを含む市場のこと。同社では、2015年の市場規模は前年比31.0%増の846億円に達すると予測した。同社は2014年~2019年にかけて、同市場が年平均13.2%で成長すると指摘。2019年には1201億円に拡大すると分析した()。

 同社は、製造業向けのタブレット端末の出荷台数についても調査。それによると、2014年は10万4000台で、2015年には倍以上の27万3000台にまで増加するという。2014年~2019年にかけて、タブレット端末の出荷台数は年平均の54.8%で拡大し、2019年には92万3000台に達すると予測した。これにともない、タブレットソリューションの売上額も大幅に増加するという。

 同社では、国内製造業は金融危機以降、2009年から設備投資を抑制する傾向があったと指摘。しかし、円安を追い風に海外の「インダストリー4.0」といった新しい潮流もあり、国内製造業の多くが再び投資の重要性を認識し始めているという。その結果、タブレット端末の導入、活用についてもに積極的になりつつあると分析している。

 同社は、製造業の中でも化学工業と電気機械器具製造業での導入が進んでいると分析。また、2015年4月に製造業を対象に行ったユーザー調査では、会社貸与とBYOD(Bring Your Own Device)を合わせると4割を超える企業がタブレットを導入したと回答しているという。導入目的は、「生産性向上」が48.4%と最も多く、次に「顧客満足度向上」16.2%、「ワークライフバランス」15.1%、「売上向上」12.7%、「人手不足解消」7.5%と続いた。同社では、小売業やサービス業向けに行った調査と比較すると、「生産性向上」と回答した企業の割合が高く、製造業ならではの特徴がでているという。

 同社では、インダストリー4.0が「次の産業革命」として注目され、製造業を巻き込む、新たな潮流が起きようとしていると指摘。製造業には、この流れに乗り遅れないようにとの危機感があるという。今後は、次世代PLM(Product Lifecycle Management)に関連したタブレットソリューションの市場規模が拡大していくと分析している。

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