インターネットに接続し、様々な機能を提供するスマート家電の世界出荷台数は、今後年平均134%の成長率で伸び、5年後の2020年には2億2300万台を超える。こうした予測を米国の市場調査会社IHSが現地時間2015年7月15日に公表した。

 同社によると、スマート家電の2014年における世界出荷台数は100万台に満たなかった。しかし多くの家電メーカーがすでに低利益、低成長の従来型家電製品から高い利益が見込めるスマート家電に重点を移しており、2015年から成長が加速するという。

 同社がここで言うスマート家電の分野は、洗濯機、衣類乾燥機、食器洗い機、冷蔵庫、エアコン、大型調理機器など。これらに、コーヒーメーカー、炊飯器、電子レンジ、空気清浄器、ロボット型掃除機(自走式掃除機)、電動歯ブラシなどの小型家電を加えた場合、その2020年における年間出荷台数は7億台に達すると同社は見ている。

 ただ同社はこうした出荷台数は控えめな予測値だと説明している。今後メーカー各社が適切な価格・性能メリットを消費者に訴え、認知度向上に向けた取り組みを迅速に進めれば、市場はさらに成長する可能性があるという。

 またIHSは、今後2~3年のうちに市場は統合が進むとも予測している。2018年にはネット接続のプラットフォームやOSはわずか数種類になり、一握りのメーカーが市場を支配するようになるという。こうした統合は、消費者のスマート家電導入を加速させるという。ちょうど携帯電話市場が数年前に経験したような成長軌道をたどるとIHSは予測している。

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