国内MPS市場売上額ベンダーシェア、2015年
国内MPS市場売上額ベンダーシェア、2015年
(出所:IDC Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社のIDC Japanは2016年7月12日、国内のマネージドプリントサービス(MPS: Managed Print Services)市場に関する調査結果を発表した。MPSとは、企業のオフィス出力環境の現状を分析した上で、最適な出力環境を構築、その環境を継続的に維持/運用していくアウトソーシングサービスのこと。今回の調査によると、2015年の市場規模は前年比20.6%増の557億8000万円に達した。

 同社では、MPS導入によって出力環境に関するTCO(Total Cost of Ownership)の把握/削減、出力管理業務プロセスの効率化、環境負荷軽減といった効果を期待できると指摘。そのため、欧米諸国を中心にMPS市場が拡大しており、全社レベルでプリント環境のコスト削減、業務効率化、環境負荷低減に取り組む企業を中心に、国内でも導入が進んでいるという。

 国内MPS市場のベンダー別シェアは、富士ゼロックスが53.4%でトップ。リコーが24.7%、キヤノンが12.5%、日本HP(HP Inc.)が3.3%、その他のベンダーが6.1%だった。昨年に続いて2015年も富士ゼロックスがシェア1位を維持した。ここ数年、リコー/キヤノンといったベンダーが、少しずつ首位の富士ゼロックスからシェアを奪う傾向が見られたが、2015年はこの流れに歯止めがかかったという。

 同社では、MPS市場全体は拡大を続けているが、MPSというサービス自体がコモディティする傾向にあり、各ベンダーは他社との差別化に苦しんでいると分析。「今後はデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応がMPS差別化要因となり、DXに対応できないベンダーは市場からの退場を余儀なくされる」と分析している。

IDCの発表資料へ