米IDCは現地時間2015年7月9日、同年第2四半期(4~6月期)の世界パソコン市場に関する調査結果を公表した。それによると同四半期のパソコン出荷台数(速報値)は6614万台となり、前年同期から11.8%減少した。

 1年前にあったWindows XPのサポート終了に伴う需要増の反動、Windows 10のリリースを前にしたチャネルの在庫削減、ドル高によるパソコン価格の上昇といったことが影響したという。ただ、IDC世界パソコン市場調査部門バイスプレジデントのLoren Loverde氏は、「今年後半の世界のパソコン出荷台数は1桁台の前半から半ばの減少となるものの、その後市場は安定する」と述べている。多くのユーザーが無料アップグレードを選び、新規パソコンの購入は控えるものの、Windows 10の立ち上げは比較的成功するとIDCは考えているという。

 2015年第2四半期の世界出荷台数をメーカー別に見ると、中国Lenovo Group(聯想集団)が1344万4000台で首位を維持し、米Hewlett-Packard(HP)が1225万3000台でこれに次いだ。このあと、米Dellの956万台、米Appleの513万6000台、台湾Acer Groupの433万4000台、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の433万台と続いている。

 このうち首位のLenovoの出荷台数は前の四半期比で1%増となったが、前年同期比で7.5%減少した。同社はアジア太平洋地域以外の市場で販売を積極展開しており、米国とEMEA(欧州、中東、アフリカ)でシェアが伸びている。

 2位のHPの出荷台数は前年同期比で10.4%減少した。これは法人需要の低下、チャネルにおけるエントリーレベルのノートパソコンの在庫調整が、要因とIDCは指摘している。

 3位のDellの出荷台数は前年同期比で8.7%減少した。これは主に、好調だった前年同期の反動だという。Dellはアジア太平洋地域とEMEAが好調だったが、米国市場が同8.6%減と大きく落ち込んだ。

 4位のAppleは前年同期比16.1%増となり、同社の出荷台数は上位6社の中で唯一前年実績を上回った。同社はほかのメーカーの業績に影響を及ぼしているような価格競争の問題を回避しているという。このほか同率5位のAcerとASUSの出荷台数はそれぞれ、同26.9%、同7.7%減少した。

 なおIDCが定義する「パソコン」とは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、超薄型ノートパソコン、Chromebook、ワークステーションなど。これにはiPadなどのタブレット端末や、Windows、Android搭載の着脱式キーボードを備えるタブレットは含まれない。

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