調査会社のIDC Japanは2015年7月6日、国内のテープストレージ(テープドライブとテープオートメーションの合計)市場に関する調査結果を発表した。それによると、2014年の市場規模は前年比25.9%減の103億1200万円と大幅に縮小した。同社では、2014年〜2019年にかけて同市場が、年平均マイナス7.3%で推移すると分析している()。

図●国内テープストレージ市場の売上額(出典:IDC Japan)
図●国内テープストレージ市場の売上額(出典:IDC Japan)
2012〜2014年は実績値、2015年以降は予測
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 同社は、製品別の売上高についても調査。それによると、2014年のテープドライブの売上額は前年比25.3%減の27億4200万円。サーバーへの装着率の低下により、単体テープドライブ市場は減少しているという。また、テープオートメーションの売上額は、前年比26.1%減の75億6900万円。同社は、従来からのバックアップ用途において、ディスクベースへの投資シフトの影響から需要が減少していると分析した。

 一方、同社は国内のテープストレージ市場について、市場にとっての好材料も見られたと指摘。LTO Ultrium 5以降のドライブに標準機能として搭載されているLTFS(Linear Tape File System)を活用したバックアップ/アーカイブソリューションが提案され始めており、従来のサーバーバックアップ領域を超えた展開の兆しが見え始めているという。また、テープオートメーションでも、ペタバイトクラスのデータのバックアップ/アーカイブ領域で需要が増加しており、2015年以降は需要の裾野が広がると分析している。

 同社は、今後、大容量データを経済的に長期保存できるストレージソリューションの模索が進展すると指摘。国内企業にとって既存アプリケーションが生成するデータを長期保存する必要性が高まっていることが背景にあるという。また、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドで構成される「第3のプラットフォーム」の新アプリケーションから生み出される膨大なデータを保存する必要性も出てきていると分析。そのことから、テープは大容量データ時代の有力なストレージの選択肢の1つであると結論付けている。

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