国内IT市場 企業規模別支出額予測: 2015年~2020年
国内IT市場 企業規模別支出額予測: 2015年~2020年
(出所:IDC Japan)
[画像のクリックで拡大表示]
国内IT市場 企業規模別支出額予測: 2015年~2020年
(出所:IDC Japan)

 調査会社のIDC Japanは2016年6月28日、国内のIT市場に関する調査結果を発表した。2016年の市場規模は前年比0.4%減の14兆5683億円と予測した。同社は2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)を0.8%とし、2020年には15兆2413億円にまで拡大すると分析した。

 企業規模別のIT市場動向では、従業員100人未満の小規模企業は円高傾向が進み国内経済が不透明な状況が継続しているためIT支出の抑制傾向が続き、前年比マイナス成長を予測した。従業員100人~999人の中堅中小企業は小幅なプラス成長を見込む。多くの企業でセキュリティ対策など最低限のIT支出にとどまる中、一部の製造や小売、サービスなどでシステム刷新/導入案件があるという。

 従業員1000人以上の大企業向けIT市場は同1.3%増と、IT投資が回復すると予測。背景には、大手金融機関の大型案件の継続のほか、大手小売や運輸でのオムニチャネル化対応、電力会社やガス会社の小売自由化に伴う競争力強化などがあるという。

 同社では、2020年に開催予定の東京オリンピック/パラリンピックを控えて国内の投資が拡大し業績が安定的に回復する企業が増えると指摘。2017年以降2019年をピークに各企業規模でプラス成長を維持すると予測し、とくに小規模企業では、これまで凍結していたシステム更新が徐々に再開すると分析している。

IDCの発表資料へ