調査会社のIDC Japanは2016年6月20日、国内のエンタープライズITインフラストラクチャー市場に関する調査結果を発表した。2016年の市場規模は前年比2.3％減の7921億円にとどまると予測。2015〜2020年の同市場の年間平均成長率をマイナス2.9％、2020年には同市場が7001億円にまで縮小すると予測した（図1）。
同社は、サーバー、エンタープライズストレージシステム、およびデータセンター向けイーサネットスイッチを包含した市場をエンタープライズITインフラストラクチャー市場と定義。国内のエンタープライズITインフラストラクチャー市場は、クラウドITインフラストラクチャー市場とトラディショナルITインフラストラクチャー市場に細分化されるという。
同社は、クラウドITインフラストラクチャー市場の動向を分析。デジタルトランスフォーメーションや第1、第2のプラットフォームから、第3のプラットフォームへのシフトが進展することから、処理能力に対する需要は強まると指摘した。
国内のエンタープライズITインフラストラクチャー市場全体が縮小する中で、クラウドITインフラストラクチャー市場は、サーバーの支出額もプラス成長となり、2016年の市場規模は同22.2％増の1569億円に拡大すると予測。2015〜2020年の同市場の年間平均成長率は7.4％に達するという。
一方で、国内のトラディショナルITインフラストラクチャー市場では「価格性能比向上と、処理能力に対する需要の弱含み」の影響が顕著に現れると指摘。同市場では、更新需要が主体となっているため、例えばサーバーであれば更新時に統合、集約されるという。搭載するプロセッサーの性能向上や価格性能比の向上が継続しているため、更新のたびに投資額は減少傾向にあり、2016年の市場規模は同6.9％減の6352億円、2015年〜2020年にかけての同市場の年間平均成長率はマイナス5.4％と分析した。
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