米IDCが現地時間2015年6月18日に公表した世界のウエアラブル機器市場に関する調査リポートによると、2015年における世界出荷台数は、前年の2640万台から173.3%増加し、7210万台になる見通し。ウエアラブル機器の年間出荷台数は今後42.6%の年平均成長率で増加し、2019年には1億5570万台に達するという。

 IDCはウエアラブル機器を、自社開発のアプリのみに対応する「ベーシック型」と、サードパーティーのアプリも利用できる「スマート型」に分類している。同社が予測する2015年の世界出荷台数はベーシック型が3900万台、スマート型が3310万台。このうちベーシック型に対する需要は驚異的だという。この分野には米Fitbitや中国Xiaomi(小米科技)などの100ドル未満の機器があるが、これらがベーシック機器市場を後押しし、2015年を通して勢いが続くとIDCは予測している。

 一方で米Appleの「Apple Watch」や米Microsoftの「HoloLens」に代表されるようなスマート型は2016年にウエアラブル市場をリードすると同社は見ている。IDCシニアリサーチアナリストのJitesh Ubrani氏は、「これらの機器には、まもなく起こるコンピューティングの変化の兆候があり、ベーシック型からスマート型への移行は、機器メーカーやアプリ開発者、アクセサリーメーカーに多くの機会をもたらす」と述べている。

 IDCは、ウエアラブル機器の形態別出荷台数についても調査している。それによると、リストバンド/ブレスレット/腕時計型などの手首に装着するタイプ「リストウエア」の2015年における出荷台数は6570万台で、ウエアラブル機器市場全体の91.1%を占めるという。

 リストウエアに次ぐのが、クリップやストラップなどで体の一部に装着する「モジュラータイプ」で、その2015年における出荷台数は460万台。このあと、めがね型などの「アイウエアタイプ」(90万台)、シャツや靴下、帽子などに取りつける「衣服タイプ」(30万台)が続くと予測している。

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