調査会社のIDC Japanは2015年6月12日、プリンターや複合機、コピー機などハードコピーペリフェラル(HCP)市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年第1四半期(1~3月)の世界のHCP市場は、出荷台数が前年同期比2.5%減の2580万台、出荷額が同1.2%減となり、台数・金額ともに減少した。同社では、インクジェット機器が依然として市場の大半を占めているが、成長を示しているのはレーザー機器の一部であると分析。特にカラーレーザー機器の出荷台数は同2.0%増の200万台に達したという。

 同社は、2015年第1四半期の世界のHCP市場の動向について、アジア太平洋地域では政府の購買が増えたことやベンダーの積極的なチャネルへの出荷により、レーザー機器が9.8%拡大したと指摘。そのなかで、中国は前年同期比で最大の成長を達成したという。

 また、機能別では、単機能プリンターの出荷台数が同8.0%減、複合機が同0.3%減と、いずれも減少。ただし、複合機のうちカラーレーザー複合機は、いずれの速度セグメントでも好調で、特に31~44ppm(ppm=1分当たりのプリントページ数)セグメントでは同19.9%の高い伸びとなったという。

 カラーとモノクロでは、カラー機器のHCP市場全体に占めるシェアが前年同期より0.8%増加して20.8%に達した。また、カラーレーザー機器が前年同期比で2.0%伸びたの対し、モノクロレーザー機器は3.1%減。なお、カラーレーザー機器における最も堅調な速度セグメントは11~20ppmで、「Color LaserJet Pro M476複合機」シリーズをラインアップするヒューレット・パッカード(HP)が特に好調だったという。

 一方、同社では、HCP市場を通じて高速プリントへのシフトが加速していると指摘。例えば、45~69ppmのモノクロレーザー複合機は、同31.0%増となった。カラー複合機市場でも、70~90ppmセグメントが同49.6%と大幅に増加した。

 なお、ベンダー別では、キヤノンが北米市場で好調。米国で同22.4%増、カナダで同20.4%増を達成した。同社は、セイコーエプソンは米国と日本を除くアジア太平洋で最大の成長を遂げ、HPは欧州市場で同8.6%増を実現したという。

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