図●ITデジタル家電購入意向ランキング(昨夏との比較)
図●ITデジタル家電購入意向ランキング(昨夏との比較)
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 調査会社のMM総研は2015年6月10日、全国の20歳以上の就業者1092人を対象に、夏のボーナス商戦に関する調査結果を発表した。それによると、夏のボーナス支給額が「昨夏より増加する」と答えた回答者は15.3%で、昨年の冬に実施した同様の調査と比べて1.6ポイント増加。ボーナスの使い途では、「ITデジタル家電」が昨夏の25.4%から8.3ポイント上昇し、33.7%に達した。ノートパソコンやスマートフォン、薄型テレビ、デジタルカメラなど、主力商品の購入意向が昨夏と比較して増えているという。

 同社は、今夏のボーナスでの購入意向が高かったITデジタル家電のランキングも発表。それによると、ノートパソコンとスマートフォンが全体の9.9%でトップ。次いで、薄型テレビが9.2%で3位、デジタルカメラが6.5%で4位、デスクトップパソコンが5.4%で5位となった()。

 品目別では、ノートパソコンが昨夏の5.9%から4ポイント上昇した。同社では、マイクロソフトの最新OSであるWindows 10の発売が2015年7月29日に決まったことから、買い替え需要が高まっていると分析。利用シーンによってはタブレットとしても利用できる「2in1」モデルの人気も高まっているという。スマートフォンの購入意向は、昨夏の4.7%から5.2ポイントの大幅増加。同社では、2年前にNTTドコモが打ち出した「ツートップ戦略」で販売したスマートフォン端末の買い替え時期に当たること、格安スマホと言われる低価格のSIMフリースマートフォンのラインアップが充実してきたことが影響していると指摘している。

 一方、薄型テレビは、順位こそ昨夏の2位から3位へと下がったものの、購入意向では昨夏の5.0%から4.2ポイント上昇している。同社では、2015年4月30日で全てのデジアナ変換サービ スが終了したことによって、小型テレビの買い替え需要が旺盛となっていることが背景にあると分析。4K対応テレビも昨年と比べて値下がりが進み、50インチ前後の比較的大型の製品の人気が高まっているという。

 デジタルカメラも昨夏の2.4%から4.1ポイント増加し、順位も昨夏の6位から4位へとアップした。ここ数年は、コンパクトデジタルカメラに迫る性能を備えたスマートフォンとの競合で需要が減少していたが、今夏は増加に転じた。モニターを動か して「自撮り」ができるモデルや、花や植物の写真を撮るためにファインダーとモニターを見やすく動かせるモデルが人気を集めているという。

 デスクトップパソコンは、昨夏の2.9%から2.5ポイントの増加。ノートパソコンと同様にWindows 10の発売にともなう買い替え需要が見込めるほか、2万円~3万円の低価格で、テレビのHDMI端子に挿すだけで簡単に使用できる超小型のスティック型パソコンの人気が徐々に高まってきていることも影響しているという。

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