調査会社のIDC Japanは2015年6月9日、国内のSoftware-Defined Infrastructure(SDI)エコシステム市場に関する調査結果を発表した。それによると、2014年のSDIエコシステム市場は、前年比35.4%増の596億9000万円に達した。同社では、2015年も同36.4%増と高成長が続くと分析。2014年~2019年にかけては、年平均25.3%の成長率を維持し、2019年には2014年比3.1倍の1843億円にまで拡大すると予測した。

 同社は、Software-Defined Infrastructure(SDI)について、仮想化技術などによってハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク機器)が抽象化され、その抽象化されたリソースをソフトウェアによってコントロールできるITインフラストラクチャと定義。その特徴は、アプリケーションやシステムの稼働環境の変化に応じて、適切なリソースの割り当てを動的に行えること。クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャル技術で構成される第3のプラットフォームを支える最適なITインフラストラクチャであるという。

 また、同社は、SDIを構成する3つのリソースセグメントとして、抽象化されたCPUとメモリーのプロビジョニングを担う「コンピュート領域(Software-Defined Compute)」、x86サーバーなどコモディティ化されたハードウェアにソフトウェアでストレージ機能を提供する「ストレージ領域(Software-Defined Storage)」、ネットワークの構成やトポロジーの設定をソフトウェアからコントロールする「ネットワーク領域(Software-Defined Network)」を指摘。それらのリソースを統合的にコントロールする「SDIオーケストレーションプラットフォーム」とをあわせてSDIエコシステムが構成されていると分析している。

 この分析に基づき、2014年の市場規模における各リソースセグメントの構成比も算出した。それによると、国内SDIエコシステム市場に占めるコンピュートの割合が62.0%と最も高く、次いでストレージが10.9%、ネットワークが5.0%、SDIオーケストレーションプラットフォームが2.8%で、残りがSDIの導入や運用のためのプロフェッショナルサービス(コンサルティングや構築サービスなど)という。同社では、2019年にはストレージ領域向けの支出額が2014年比5倍、ネットワーク領域向け支出額が同8.1倍、SDIオーケストレーションプラットフォーム向け支出額が同6.4倍にまで拡大すると予測。2015年以降、SDIエコシステム市場の成長が加速すると分析している。

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