米IDCが現地時間2016年6月1日に公表した世界のスマートフォン市場に関する調査によると、同年における年間出荷台数は約14億8000万台となり、2015年からの伸び率は3.1%にとどまる見通し。

 スマートフォン出荷台数の前年比伸び率は2014年に27.8%、2015年に10.5%と推移してきたが、今年はこれらから大きく低下する見通し。またIDCは先のリポートで今年の年間出荷台数の伸び率が同5.7%になると予測していたが、今回これを下方修正した。市場の成長が成熟国や中国で引き続き減速していることがその要因という(関連記事:[データは語る]2016年の世界スマホ市場、年間出荷台数の伸びが1桁に低下する見通し)。

 これを国、地域別に見ると、米国、西欧、中国ではその伸び率が1桁台にとどまる見通し。一方で日本とカナダは、それぞれ6.4%、6.9%減少すると同社は見ている。ただし、画面サイズが5.5インチ以上の大型端末(いわゆるファブレット)は、2019年まで2桁成長が続くと予測している。IDCによると、現在多くのメーカーがその旗艦モデルをファブレットへと移行している。これに伴いファブレットの平均販売価格は今後も高い水準を維持すると同社は予測する。

 今年のスマートフォン出荷台数をOS別に見ると、「Android」は12億4050万台で、前年比で6.2%増加する見通し。iOS(iPhone)は2億2680万台で、同2.0%減少。「Windows」は1120万台で同61.6%減少するとの予測だ。

 このうちiOSはその年間出荷台数が初めて前年実績を下回り、2016年はこれまで高成長を続けてきたAppleにとって転換点になるとIDCは指摘している。ただしAppleは2017年にもiPhoneを再び成長軌道に戻すことができるという。Appleが今年2月に開始した分割払い付き下取りプログラムと、3月に発売した同社製品としては低価格の「iPhone SE」がそれを後押しすると、IDCは予測している。

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