国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測、2014年~2020年
国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測、2014年~2020年
企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器の合計値(出所:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2016年6月1日、国内における企業向けネットワーク機器市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年の市場規模は前年比5.6%増の2131億800万円に達した。同社では同市場を大きな成長は見込みにくいものの安定した市場であると分析。2015年~2020年にかけての年間平均成長率(CAGR)を0.7%と分析。2020年には2015年とほぼ同等の2203億7800万円と予測した。

 同社では、2015年の市場動向について、データセンター向けイーサネットスイッチ需要の増加と、企業における無線LANの継続的な利用拡大がけん引したと分析。製品分野別では、データセンター向け需要がけん引した企業向けイーサネットスイッチ市場が同6.3%増となったという。企業向け無線LAN機器市場も依然として高い成長を続けており、同9.3%と大きく伸びた。

 2015年~2020年にかけての製品分野別の成長率について、企業向けイーサネットスイッチ市場のCAGRを0.9%、同じく企業向けルーター市場はマイナス1.1%、企業向け無線LAN機器市場については2.3%と予測した。

 なお、同社は、ベンダーシェア別のシェアも調査。それによるとシスコシステムズが、3つの製品分野すべてにおいて首位を獲得。市場全体でのシェア47.8%に達した。同社は、各製品分野ではシスコシステムズに対抗し得るベンダーは存在するものの、企業向けネットワーク機器市場全体では、製品や事業ポートフォリオの総合力で抜きんでた存在となっていると指摘している。

 同社は、今後の市場動向について、全般的には低成長市場であるが、局所的、限定的には成長領域が残されていると分析。具体的には、IoTに代表されるようなPC、サーバー、ネットワーク機器以外のデバイスのネットワーク接続の増加は、企業向けネットワーク機器市場の新たなけん引役として期待されるという。

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