調査会社のIDC Japanは2016年5月30日、国内のマネージドプリントサービス(MPS:Managed Print Services)市場に関する調査結果を発表した。MPSとは、企業のオフィス出力環境の現状を分析したうえで、最適な出力環境を構築し、その環境を継続的に維持/運用していくアウトソーシングサービスのこと。調査によると、2015年のMPS市場は、前年比20.6%増の557億8000万円に達した。同社では、2015〜2020年の同市場の年間平均成長率(CAGR)を17.1%と分析。2020年の市場規模を1230億4700万円と予測した()。

図●国内MPS市場 売上額予測(2011〜2020年)
図●国内MPS市場 売上額予測(2011〜2020年)
出所:IDC Japan
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 同社は、MPSの導入によって、出力環境に関するTCO(Total Cost of Ownership)の把握/削減、出力管理業務プロセスの効率化、環境負荷軽減といった効果を期待できると指摘。現在、欧米諸国を中心に市場が拡大しており、全社レベルでプリント環境のコスト削減、業務効率化、環境負荷低減に取り組む企業を中心に、国内でも導入が進んでいるという。

 同社は、国内のMPS市場について、そのほとんどが従業員規模1000人以上の大規模企業向けで90%以上を占めていると分析。この傾向は、2010年からほとんど変化していないという。産業分野別では、製造分野の比率が高い傾向は続いているが、流通分野、金融分野の比率が伸びる傾向があると指摘している。

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