米IDCが現地時間2015年5月28日に公表した世界のパソコン市場に関する調査によると、2015年の年間出荷台数は2億8900万台となり、前年から6.2%減少する見通し。これにより、出荷台数は4年連続で前年割れとなる。パソコン市場は引き続きスマートフォンやタブレット端末との激しい競争に直面するという。

 IDCによると、世界のパソコン市場は昨年半ばまで安定していた。Windows XPのサポート終了に伴う買い替え需要があったからだという。だがそのサイクルはすでに終了し、販売業者は現在、今夏にリリースされる「Windows 10」を待ちつつ在庫削減を図っているという。

 ただしWindows 10の登場は、パソコン販売を急速に押し上げる要因にはならないと同社は指摘する。法人市場ではWindows 7搭載機からの買い替えがあるものの、消費者向けWindows 10はアップグレードが無料になるため、消費者が新しいパソコンを購入するきっかけにならないという。多くの消費者が年末のホリデーシーズンで優先的に購入するのは、スマートフォンやタブレット、そしてApple Watchのようなウエアラブル端末だろうと同社は予測する。

 またIDCが同日公表した世界のタブレット端末(2-in-1型も含む)市場に関する調査によると、2015年の年間出荷台数は 2億2180万台で、前年から3.8%減少する見通し。 タブレット端末の出荷台数は、昨年第4四半期(10~12月期)と今年第1四半期(1~3月)に前年割れとなっており、IDCはこれらを踏まえ、予測値を下方修正した(関連記事:[データは語る]2015年Q1の世界タブレット市場、出荷台数再び前年割れ)。

 ただし、タブレットは、セルラーモデルと2-in-1型に明るい材料があるとIDCは指摘している。セルラーモデルは端末販売価格の下落と利益の低下に歯止めをかける手っ取り早い解決策になっている。また通信事業者はスマートフォンよりも低コストで加入者を増やせるという。

 IDCは、セルラーモデルと2-in-1型を合わせたタブレットの出荷台数は、今後5年間に年平均5.6%の成長率で伸びていくと予測している。これに対しWi-Fiモデルは同じ期間に同0.4%の減少率で減っていくという。

[発表資料(世界パソコン市場調査)]
[発表資料(世界タブレット市場調査)]