米Gartnerが現地時間2015年5月27日に公表したスマートフォンの販売統計調査によると、同年第1四半期(1~3月)の世界販売台数は3億3605万台となり、前年同期から19.3%増加した。この伸びは中国を除く新興国市場の好調な販売によって支えられたという。新興国市場全体の販売台数は前年同期から40%伸びた。とりわけアジア太平洋地域、東欧、中東/北アフリカ地域の成長率が高いという。

 「第1四半期は、各国の地場メーカーや中国メーカーが新興国市場で台頭した」とGartnerのAnshul Gupta調査ディレクターは述べている。「これらのメーカーの平均販売台数伸び率は73%で、世界スマートフォン市場に占める合計シェアは前年同期の38%から47%に拡大した」(同氏)

 同年第1四半期のメーカー別販売台数は、韓国Samsung Electronicsが8112万台で最も多く、これに米Appleが6018万台で次ぎ、そのあと中国Lenovo Group(聯想集団)の1889万台、中国Huawei Technologies(華為技術)の1810万台、韓国LG Electronicsの1543万台と続いた。

 このうち、前年同期から販売台数が減少したのはSamsungのみ。一方Appleは引き続き好調で、とりわけ中国市場で急成長した。中国におけるAppleの販売台数は前年同期から72.5%増加し、同社は中国市場でXiaomi(小米科技)を抜き、初めて1位になった。GartnerのGupta氏は「Appleのアジア市場への進出拡大はSamsungとの差を縮めることにもつながった」と指摘。「1年前に4000万台以上あったAppleとSamsungの差は約2000万台に縮まった」(同氏)

 2015年第1四半期のOS別販売台数は「Android」が2億6501万台、「iOS」がメーカー別台数と同じく6018万台、「Windows Phone」が827万台、「Blackberry」が133万台だった。このうちAndroidのシェアは前年同期から1.9ポイント低下。iOSは同2.6ポイント上昇し、3四半期連続で前年同期のシェアを上回った。GartnerのRoberta Cozza調査ディレクターは「中国におけるiPhoneの好調な販売が、Androidに影響を及ぼした」と述べている。これに対し、Androidの同国における販売台数は同4%減少した。中国でAndroidが前年割れとなったのはこれが初めてだという。

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