チェコのセキュリティソフト企業Avast Softwareは2015年5月26日、国内のスマートフォンおよびタブレットユーザーの63%がIDやパスワードが不要なフリー無線LANサービスに接続しているとの調査結果を発表した。同社では、パスワード不要のフリー無線LANを利用するのは個人情報漏えいのリスクにつながると警告している。

 国内のAvastユーザーを対象に実施したオンライン調査。モバイルユーザー調査では、2300人のうち55%がモバイル端末の無線LANスイッチを1度も、またはほとんどオフにせず公共無線LANに自動接続できるように設定しており、個人情報が盗まれやすい環境を自ら作っていることが分かった。その一方で、モバイル端末を保護するために仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用しているユーザーは5%にとどまった。

 また、家庭ネットワークの調査では、1300世帯のうち31%でルーターが「ユーザー名:admin」「パスワード:admin」(またはpasswordやパスワードなし)」など初期設定のままとみられる組み合わせで使われていた。また、約半数が住所、氏名、電話番号、通りの名前など、推測されやすい言葉をパスワードに使っていた。

 このほかにも、回答者の89%が、近隣住民を含む他人から自分の家の無線LANネットワークに接続されたら気持ち悪いと回答する一方で、7%は近隣住民の許可・同意なく無線LANネットワークを利用した経験があると答えた。同社では、セキュリティ対策が十分でないルーターは、ハッカーにとって絶好の侵入ポイントになると指摘している。