図●国内サーバー市場予測2013年~2019年
図●国内サーバー市場予測2013年~2019年
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 調査会社のIDC Japanは2015年5月14日、国内サーバー市場の動向に関する調査結果を発表した。それによると、2014年の市場規模は前年比1.7%増の4697億円に達した。しかし、2015年は同6.2%減の4407億円に縮小し、2014年~2019年にかけては年平均3.9%のマイナス成長に転じると分析。2019年には3844億円にまで縮小すると予測した()。

 同社は、2014年の動向について、x86サーバーとスーパーコンピュータの出荷額が2013年比で増加したが、メインフレーム、RISC&IA64サーバー、ビジネスサーバーはマイナス成長となったと指摘。x86サーバーは、円安によるコスト上昇を製品価格に転嫁したことに加え、仮想化の導入によるメモリーなどのオプションの増加で平均単価が上昇し、出荷額が同7.8%増加。サーバー市場全体に占めるx86サーバーの出荷額も、前年から4ポイント増加し67%に達しているという。情報サービス、運輸サービス、通信、ヘルスケア、官公庁向けに1000台規模の大口案件があり需要が堅調だった。RISC&IA64サーバーが減少した背景には、サーバー統合による出荷台数の減少に加え、新たなシステム需要を取り込めていないことがあるという。また、スーパーコンピュータは、大学および地球シミュレーターの更新案件があり、2013年から大幅に増加した。

 2014年は国内サーバー市場が堅調に推移したが、2015年以降にはマイナス成長に転じていくと予測。製品別では、2015年にプラス成長となるのはx86サーバーのみで、出荷台数は減少するものの、2014年に続き平均単価が上昇し、出荷額はやや拡大するという。他の製品分野は、更新需要が大半を占め、新規需要の減少やサーバー統合による出荷台数の減少によりマイナス成長になると分析する。

 2015年に唯一プラス成長となると予測するx86サーバーも、2019年にかけては出荷額が年平均1.0%のマイナス成長になるという。サーバー仮想化によるサーバー統合が一巡することやクラウドサービスの利用が進むことが背景にあり、他の製品分野もx86サーバーへのシフトやサーバー統合によって、メインフレームを除き軒並み2桁のマイナス成長になると予測。第3のプラットフォームへ向けた新規需要の多くは、x86サーバーを採用することが想定されていることから、同市場に向けた総合的なサービスへの転換や新規需要の創出が必要と指摘する。メインフレーム、RISC&IA64サーバー市場は、更新需要によって成り立っているため、サーバーの性能向上が市場拡大に結びつかず、新規需要の創出が非常に重要となると分析している。

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