英Kantar Worldpanelが現地時間2016年5月11日に公表したスマートフォンの販売統計によると、同年1~3月期はAndroidのシェアが日本を除くすべての主要市場で前年同期から上昇した。

 米国におけるAndroidのシェアは、前年同期から7.3ポイント増えて65.5%に、中国では同6ポイント増の77%に、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)では7.1ポイント増の75.6%となった。

 このうち欧州5カ国におけるAndroidのシェアの伸びは過去2年で最大となった。この地域では1~2社のメーカーだけでなく、それぞれの国で異なるさまざまなメーカーがAndroidの伸びを支えたという。

 一方、欧州5カ国におけるiOSのシェアは前年同期の20.2%から18.9%に低下した。またWindowsのシェアは前年同期の9.9%から4.9%に低下した。Kantar Worldpanelによると2016年1~3月期にAndroid端末を購入した人のうち、Windowsから買い替えた人の割合は6.6%だった。これに対しiOS(iPhone)から買い替えた人の割合は3.3%にとどまった。この期間にiPhoneを初めて購入した人のうち、2.6%がWindowsから買い替えたと同社は報告している。

 Kantar WorldpanelのDominic Sunneboディレクターによると、かつてWindowsが強みを持つ市場はイタリアとフランスだった。だがこの1~3月期は、これらの国でほぼ10%のWindows端末ユーザーがAndroid端末に移行した。そうした顧客は中国Huawei Technologies(華為技術)、中国系フランスメーカーであるWiko、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)といったブランドの中価格帯製品を選んでいるという。

 これに対し、英国や米国では韓国Samsung Electronicsが依然強い。例えばこの1~3月期はSamsungの「Galaxy S7」の販売期間がわずか数週間しかなかったが、米国では機種別販売ランキングで同モデルが5位に入った。米国では新モデルの発売を前に値下げした「Galaxy S6」の販売も好調だった。

 このほか中国(都市部)の市場を見ると、1~3月期におけるiOSのシェアは前年同期から5ポイント低下して21.1%となった。これに対しAndroidは同5.9ポイント増の77.7%となり、その前年同期比伸び率は2014年8~10月期以来最大となった。

 なお日本における2016年1~3月期のAndroidのシェアは、前年同期から0.6ポイント低下して51.7%となり、iOSのシェアは1.7ポイント増えて46.8%となった。この1~3月期にAndroidのシェアが低下したのはKantar Worldpanelが調査対象にした9カ国のうち日本のみ。またiOSのシェアが伸びたのは日本とフランスだけだった。

[発表資料へ]