米IDCが現地時間2015年5月10日に公表した中国のスマートフォン市場に関する調査によると、同年第1四半期(1~3月)における同国のスマートフォン出荷台数は9880万台となり、前年同期に比べ4%減少した。中国のスマートフォン出荷台数が前年割れとなるのは6年ぶり。また第1四半期の出荷台数は、前の四半期と比較し8%減少した。

 同社でマネージングディレクターを務めるKitty Fok氏によると、中国はこれまで新興市場と考えられてきた。だが、米国、英国、オーストラリア、日本などの成熟市場と同様、現在中国で売られている携帯電話はその大半がスマートフォン。同国市場は急速に飽和状態となったという。「米国などの成熟市場のように、中国でも市場をさらに成長させるためには、既存ユーザーに新モデルへの買い替えを促すことが重要だ」と同氏は指摘する。

 同年第1四半期のメーカー別出荷台数は、米Appleが1450万台で首位となった。これに中国Xiaomi(小米科技)が1350万台で次ぎ、このあと中国Huawei Technologies(華為技術)の1120万台、韓国Samsung Electronicsの960万台、中国Lenovo Group(聯想集団)の820万台と続いた。

 このうちAppleの出荷台数は、前年同期から62.1%増えた。大型画面の「iPhone 6」と「同6 Plus」に対する需要が、依然として旺盛だという。またXiaomiとHuaweiの前年同期に比べた出荷台数伸び率は、それぞれ42.3%、39.7%。Xiaomiも好調に出荷台数を伸ばしたが、低・中価格帯端末の市場で競争が激化し、同社は2位に後退した。Huaweiは中価格帯端末が好調で、3位を維持した。

 一方Samsungの出荷台数は、前年同期と比べ53.0%減、Lenovoは同22.1%減となった。前年同期における両社の順位は、それぞれ1位と2位だった。IDCによると、それ以降ランキングは急速に変化した。このことは、中国消費者の不安定なブランド選好の実態を浮き彫りにしているという。

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