OpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果
OpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果
サーバー仮想化を実施している企業が対象。ICT企業/Non-ICT企業別は2016年調査を集計したもの。出所:IDC Japan
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 調査会社のIDC Japanは2016年5月11日、国内企業のITインフラにおけるOpenStackの導入状況に関する調査結果を発表した。これは、同社がサーバー仮想化を実施している企業と組織を対象に2016年3月に実施したアンケート調査。それによると、「すでに本番環境で使っている」の回答割合が7.0%となり、前回調査の4.5%から2.5ポイント上昇。「試験的に使用し、検証している」が8.3%で、前回調査と比較してほぼ変化がなかった。

 OpenStackとは、オープンソースソフトウエア(OSS)のクラウド基盤/管理ソフトウエアで、約4万人規模のオープンソースコミュニティーで開発されている。同社では、WalmartやeBay、BMWのようなグローバル大手企業での採用事例が出ていることから、企業向けのクラウド基盤として注目されていると指摘。昨年に続いて導入状況の調査を実施した。

 同社では、今後の使用計画についても調査。それによると、「使用する計画/検討がある」の回答割合が前回調査の5.2%から17.9%へと大きく上昇。導入に向けて具体的な動きが出てきていると指摘した。

 「OpenStackを知らない」という回答割合が前回調査よりも8.5ポイント下がったことから、同社では認知度も上昇していると分析した。

 同社では、OpenStackの導入状況について、情報サービスプロバイダーやシステムインテグレータのようなICT関連サービスを主力事業としている企業と、それ以外の製造や流通、金融、一般サービスなどを主力事業としている企業に分けて調査。

 それによると、ICT関連サービスを主力としている企業では「すでに本番環境で使っている」の回答割合が8.2%、「試験的に使用し、検証している」が10.8%、「使用する計画/検討がある」が20.5%となり、合計で約40%が導入に向けて取り組んでいることが明らかになった。

 ICT以外の企業でも、本番環境で使用、検証中、計画/検討の回答を合計すると約30%の企業が、OpenStackの導入に向けて取り組んでいるという。

 OpenStackを本番環境で使用、検証中、計画/検討している企業に対して、OpenStackに期待する効果について質問したところ、「クラウド基盤の運用の効率化」が25.7%で最も回答が多く、「クラウド環境の構築の迅速化」が21.7%、「アプリケーション開発の迅速化」が21.1%に達したという。

 OpenStackを使用していく上での課題については、「OpenStackに精通しているエンジニアが少ない」が28.3%と最も回答が多かった。

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