米IDCは現地時間2015年4月30日、世界のタブレット端末(2-in-1型も含む)市場に関する調査結果(速報値)を公表した。それによると、2015年第1四半期(1~3月)の出荷台数は4710万台となり、前年同期に比べ5.9%減少した。

 タブレット端末の四半期出荷台数は、米Appleが初代「iPad」を発売した2010年以来一貫して前年超えが続いていたが、昨年第4四半期(10~12月期)に初めて前年実績を下回り、2015年第1四半期も再び前年割れとなった。

 同四半期のメーカー別出荷台数は、Appleが1260万台(市場シェアは26.8%)で首位を維持した。これに韓国Samsung Electronicsが900万台(シェア19.1%)で次ぎ、そのあと中国Lenovo Group(聯想集団)の250万台(同5.3%)、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の180万台(同3.8%)、韓国LG Electronicsの140万台(同3.1%)と続いた。

 このうちAppleの出荷台数は前年同期比22.9%減で、iPadは5四半期連続で前年割れとなった。IDCによると、iPadは新しいiPhoneやパソコン「Mac」の成功を背景に苦戦が続いている。今後大画面モデルを市場投入するなど、製品ラインアップを刷新するまではiPadの不振は続くだろうと、IDCは予測している。

 またSamsungの出荷台数は前年同期比16.5%減、ASUSは同30.6%減と、こちらも大きく落ち込んだ。一方でLenovoは同23.0%増、LGは1423.7%増となった。Lenovoは低価格モデルを含む幅広い製品ラインアップが多くの地域で受け入れられている。LGは米携帯電話キャリアによるバンドル戦略の恩恵を受けたという。

 世界のタブレット市場は縮小傾向にあるものの、セルラーモデルと2-in-1型には明るい材料があると、IDCは指摘している。セルラーモデルはタブレットの利用を促しており、メーカーや通信事業者に収益をもたらしている。2-in-1型は今のところ市場規模は小さいが、その成長率には目覚ましいものがあるという。

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