調査会社のガートナー ジャパンは2015年4月28日、日本企業のクラウド・コンピューティングへの取り組み関する調査結果を発表した。クラウド・コンピューティングを採用している企業は全体の16%に達し、2012年の10%から着実に増加している実態が明らかになった。

 クラウドサービスの種類別の採用状況も発表。採用率が最も高かったのはSaaSで、全体の28%の企業が導入。続いてプライベート・クラウド(23%)、 ホステッド・プライベート (18%)、PaaS (16%)、IaaS(15%)、ハイブリッド(12%)、デスクトップ (10%)の順となった。クラウド・コンピューティングの採用率は14年には足踏み感があったが、15年に入って急速に高まったという。「クラウドを採用しない選択をしにくくなっている企業が増えている」と分析している。

 一方同社には、「どのクラウドを選ぶべきか」「どうやってクラウド化すればよいのか」といった基本的な問い合わせが多く寄せられているという。多くの企業がいまだに「手探り」の状況にあるとも指摘している。

 今回の調査では、IaaSで期待する稼働率についても発表。40%以上の企業が「稼働率99.999%でなくてもよい」と回答。日本では、業務システムは絶対に止まってはならないという暗黙の認識が根付き、クラウド導入の妨げになっていたが。最近はクラウドの実態に即した運用を考える利用者が増え、考え方が変化しつつあると同社はみている。