シンクタンクのMM総研は2016年4月26日、SIMロックフリースマートフォン(以下、SIMフリースマートフォン)利用実態に関する調査結果を発表した。それによると、購入後の総合満足度は61.1%となった。同社は、SIMフリースマートフォンの出荷台数についても調査。それによると、2015年度上期で66万8000台とスマートフォン出荷台数の5%にとどまっている。同社は、SIMフリースマートフォンの普及について、利用者自身のライフスタイルと利用状況に応じた購入・検討が重要と指摘。今後、幅広いユーザーに支持されるポテンシャルを秘めている市場といえると分析している。

 同社は、SIMフリースマートフォンの満足度について、満足度が高かったのは「画面サイズ」で56.8%。次いで「端末の操作性・使いやすさ」、「LTE対応・通信速度」、「ディスプレイ解像度」、「端末価格」の順となった。

 「現在利用しているSIMフリースマートフォンの他人への推奨度」について質問した結果では、「勧めたい」が52.3%で、「勧めたくない」の13.3%の約4倍と高くなった。

 同社は、SIMフリースマートフォンに挿入しているSIMカードの種類についても調査。それによると、「MVNO SIMカード」が54.0%、「大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルの4キャリア)のSIMカード」が38.9%、「海外のSIMカード」が1.9%。同社では、SIMフリースマートフォンが必ずしもMVNO SIMカードとセットで利用されている状況ではないと指摘。大手キャリアのSIMカードを利用しているユーザーも4割程度存在することが明らかになった。

SIMフリースマートフォンに挿入しているSIMカード
SIMフリースマートフォンに挿入しているSIMカード
出所:MM総研
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 SIMフリースマートフォンの購入価格では、平均購入価格は3万2418円。価格帯別の構成比では「(2万5000円以上)3万円未満」が12.4%で最も多く、次いで「(3万円以上)3万5000円未満」で11.2%。3万円前後が一番のボリュームゾーンとなっているようだ。

 同社は、SIMフリースマートフォンのメリットについて、MVNO SIMカードとのセット利用により通話・データ通信の利用状況次第で大手キャリアよりも月額利用料を抑えることができる点を指摘。大手キャリアのSIMカードをそのまま利用したり、海外で現地調達したSIMカードを挿入したりすることも可能で、幅広いシーンで活用できることもメリットの一つという。

 一方で、紛失時や故障時などのサポートはSIMフリースマートフォンをセット販売しているMVNOや端末メーカー独自のサービスに加入・利用する必要性があり、大手キャリアと比較すると必ずしも同等のサービスを受けられるとは限らないと分析している。

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