調査会社のガートナーは2016年4月20日、世界のビジネス・インテリジェンス (BI)とアナリティクスに関する調査結果を発表した。それによると、2016年には高度なアナリティクスの市場が成長率14%を達成し、15億ドル規模に拡大すると予測した。同社は、2018年までには世界の大手企業の半数以上が、市場での競争において、高度なアナリティクスおよび自社独自のアルゴリズムを利用するようになると分析。業界全体に「破壊的な変化」がもたらされると指摘している。

 同社は、「高度なアナリティクスは、既に10年にわたってあらゆる業界に変化をもたらしている」と分析。新しいデジタル・エコノミーの世界で生き残るためには、エンドユーザー組織とベンダーの両方が、評価・測定から高度な分析に投資の重点をシフトしなければ、他社に後れを取ると注意を喚起した。同社によると、先進的な企業は自社独自のアルゴリズムを開発することで、より迅速に多くの知見をもたらす分析を実現し、「勘頼み」の意思決定から脱却しようとしているという。

 一方、同社は、2018年末までを通じて、自社の分析アルゴリズムの信用性を証明する厳格なアプローチを進める企業は少数にとどまると指摘。同社では「データとアナリティクスを活用して得られるビジネス面、社会面、倫理面の効果について、理解している人はごくわずかしかおらず、無視している人が大多数であり、追い求めている人に至ってはまったく存在しない」と分析。その結果について、「目に見える形で表れ、ビジネス・チャンスの逸失、非効率性、ブランド・リスクの高まりだけではなく、場合によっては刑事訴訟にさえつながる」という。同社は、こうした課題に取り組んでいない企業と比べ、倫理面の効果を積極的に管理しようとしている企業では顧客、サプライヤー、従業員とのより生産的な信頼関係の確立、競争優位性とブランド・ロイヤリティの向上、市場シェアの最大化を実現できると分析した。

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