写真●PLM 世界市場規模推移と予測
写真●PLM 世界市場規模推移と予測
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 シンクタンクの矢野経済研究所は2015年4月15日、様々な製品の開発から生産、リサイクルに至るまでのライフサイクルを管理するPLM(Product Lifecycle Management)に関する調査結果を発表した。

 それによるとPLMを実現するためのツールとなるCAD/CAM/CAEをはじめ、PDM(Product Data Management)やデジタル・ファクトリー、ビューワ/DMU(Digital Mock-Up)などを含むPLM市場は、2014年に全世界で前年比7.8%増の111億USドル(システムメーカー出荷金額ベース)に達する見込みとなった(写真)。国内市場も堅調で、2014年には同8.4%増の2242億円(同ベース)、2018年には2900億円(同ベース)にまで拡大すると予測した。

 同社は、世界と日本のPLM市場が堅調な背景として、米国経済が好調に推移していること、また、日本経済も2013年より始まった金融緩和や円安により、企業収益が大幅に改善したことを指摘。製造業の設備投資も回復したことも要因の一つと分析している。

 同社では、PLMを主に機械設計の詳細設計工程と製造工程を効率化するソリューションと位置づけている。今後、次世代ものづくりが実現されていく中では、設計の上流工程である構想設計領域の強化が求められるという。その意味でも、今後、PLMは、IoTやSLM、ALM、MES、ERPなどと連携しながら、次世代ものづくりの中核となるソリューションとなっていくと指摘している。

 一方、国内市場では、製造業に昨今の円安をうけて日本回帰の動きが出ていることから、今後、設備投資が活発にあると予測。それらがPLM市場にも直接的な影響を与え、市場は順調な回復を遂げると分析している。

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