国内エンタープライズストレージシステム売上額: 2010年~2015年
国内エンタープライズストレージシステム売上額: 2010年~2015年
(出所:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2016年4月12日、国内のエンタープライズストレージシステム市場に関する調査結果を発表した。2015年のエンタープライズストレージシステムの売上額は前年比7.0%増の2720億2300万円。出荷額は1920億3000万円で、サプライヤー別出荷額の上位5社は日立製作所がシェア17.6%でトップ、次いで富士通が16.7%、EMCが14.7%、IBMが11.4%、NECが9.5%となった。

 エンタープライズストレージシステムを外付型、サーバー内蔵型、ODM Directに分けて調べたところ、2015年の国内売上額2720億2300万円の内訳は、外付型が同7.4%増の2016億3200万円で構成比にして74.1%を占めた。サーバー内蔵型が585億1400万円で同21.5%、ODM Directが118億7700万円で同4.4%。ODM Directの規模はまだ小さいものの、グローバルクラウドサービスプロバイダーの国内拠点のほか、国内クラウドサービスプロバイダーでも導入が進みつつあると分析した。

 外付型エンタープライズストレージシステムについては、セグメント別内訳も調べた。メインフレーム向けが同26.9%増の335億3200万円に拡大したが、UNIX、Windows、Linuxなどのオープンシステムおよびその他OS向けが同4.2%増の1681億円にとどまった。

 メインフレーム向けが大幅増となったことについて、年間を通して金融と官公庁で大型案件があり、これが2桁増の高成長につながったと分析。また、オープンシステム/その他OS向けも、サーバー仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure)などの仮想化環境向け、クラウドインフラ向けで需要拡大が続いているという。あわせて、オープンシステム/その他OS向けでは、フラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュストレージが本格的な成長を始めたことも市場の堅調な拡大を支えているという。

 「2015年はメインフレーム向けの大型案件が市場の成長に貢献した。その一方で、オープンシステム向けではハイエンドからミッドレンジへのシフトが進み、オールフラッシュアレイが高成長を記録するなど成長領域の変化が明確になった」と指摘した。

 2015年第4四半期(10月~12月)の国内エンタープライズストレージシステム売上額も発表した。前年同期比4.8%増の658億8900万円で、内訳は外付型が506億7500万円(構成比76.9%)、サーバー内蔵型が127億5500万円(同19.4%)、ODM Directは24億5900万円(同3.7%)となった。

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