米Gartnerが現地時間2015年4月9日に公表したパソコン市場に関する調査(速報値)によると、同年第1四半期(1~3月)における世界パソコン出荷台数は7173万台となり、前年同期に比べ5.2%減少した。

 Gartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏によると、2014年はWindows XPのサポート終了に伴う買い替え需要の増加で販売が伸びたが、2015年第1四半期はその勢いが弱まった。デスクトップパソコンが急速に落ち込んだという。しかしこの落ち込みは、必ずしも市場全体の長期的な低迷を示すものではないとする。ノートパソコンや、タブレットにもなるハイブリッド型パソコン、WindowsタブレットなどのモバイルPCが1年前に比べて伸びている。

 世界のパソコン出荷台数は今年わずかに前年実績を下回り、その後の5年間でゆっくりながら堅実な成長段階に入ると、Gartnerは予測している。「2015年第1四半期の出荷台数はこの予測を裏付けるものとなった」と北川氏は述べている。

 2015年第1四半期の世界出荷台数をメーカー別に見ると、中国Lenovo Group(聯想集団)が1358万万台で首位を維持し、その市場シェアは18.9%だった。2位は米Hewlett-Packard(HP)で1244万台(シェアは17.3%)。以降、米Dellが904万台(シェア12.6%)、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)が531万台(シェア7.4%)、台湾Acer Groupが518万台(シェア7.2%)と続く。

 これら上位5社の中で、前年同期に比べ伸びたのはLenovoとHPのみ。Lenovoは米国とEMEA(欧州、中東、アフリカ)で出荷台数を伸ばした。Gartnerによると、Lenovoはハイブリッド型ノートパソコンのトップメーカーの1社。とりわけ成熟国市場で「YOGA」シリーズがよく売れているという。

 HPも第1四半期は好調で、米国とEMEAで首位を維持した。同社のシェアは米国で拡大している。一方EMEAでは2位のLenovoとの差が縮まった。

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