シンクタンクの矢野経済研究所は2015年3月31日、情報システム子会社の経営実態に関する調査結果を発表した。それによると、親会社やグループ会社から受託したシステム業務(内販)において、「親会社が主導だが、何らかの形で企画プロセスに参加している」とする情報システム子会社は48.3%となった。また、「主に開発プロセス(設計・開発)から参加している」が24.7%、「自社主導だが、親会社メンバーも企画に参加している」が5.6%、「自社だけで企画プロセスを遂行している」が1.1%となった。

 同社は、親会社に対しても調査したところ、「情報システム子会社の現在の評価」という質問に対して「大変満足」と回答したのは、「サポート体制」が19.4%と最多回答だった。次いで「コスト」は9.7%、「技術力」は8.1%となり、親会社の業務内容を熟知している情報システム子会社のサポート体制が高く評価されていることが明らかになった。

 一方、同質問に関して「不満」という声が多かったのは「ソリューション提案力」で38.7%、次いで「コンサルティング力」が37.1%となり、約4割の親会社が「ソリューション提案力」と「コンサルティング力」の両面で子会社に対して高くない評価を持っていることが浮き彫りとなった。

 同社は、昨今は親会社が情報システム子会社に対して、企画プロセスへの参加を求める傾向が強いと分析。情報システム会社は今後、十分なソリューションの提案力、コンサルティング力を養っていくことが重要だと指摘している。

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