米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2015年3月31日までにまとめたオンライン広告市場に関する調査によると、2015年における世界のオンライン広告支出額は1708億5000万ドルになる見通し。このうち検索広告への支出額は815億9000万ドルで、前年から16.2%増えると、同社は予測している。

 企業別の検索広告収入ランキングは、米Googleがトップで、このあと中国Baidu(百度)、米Microsoft、米Yahoo!、中国Sohu(捜狐)と続いている。eMarketerによると、Googleは依然世界の検索広告市場を支配している。2015年における同社の検索広告収入は、前年の384億2000万ドルから15.7%増え、444億6000万ドルとなる見通し。その世界検索市場全体に占めるシェアは54.5%と、引き続き5割を上回る水準を維持するとeMarketerは見ている。

 また、Baiduの2015年における検索広告収入は、前年の53億5000万ドルから34.2%増の71億8000万ドルとなる見通し。昨年7.6%だったBaiduの世界市場シェアは、今年8.8%に上昇する見込み。Googleの検索サービスが中国本土からアクセスできないことに加え、中国のインターネット人口が急増しており、これらの要素がBaiduのシェアを押し上げると、eMarketerは分析している

 eMarketerによるとBaiduのシェア拡大は、中国オンライン広告市場の世界に及ぼす影響を色濃く表している。推計によると、2015年の中国における検索広告の支出額は前年から32.8%増の149億ドルとなり、世界市場に占める比率は18.2%に達する見通し。中国では電子商取引の利用が急増しており、BaiduやSohuの検索サービスに対する需要が急増しているという。

 一方、2015年におけるMicrosoftとYahoo!の検索広告収入は、それぞれ34億5000万ドルと19億ドルで、両社の合計シェアは6.5%にとどまるとeMarketerは見ている。2013年に3.7%だったMicrosoftのシェアは昨年4.2%に上昇したが、今年も4.2%になるという。また2013年に2.9%だったYahoo!のシェアは昨年2.5%に低下、今年はさらに2.3%に低下するとeMarketerは予測している。

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