図●中国とインドのスマートフォン市場 <調査方法>富士キメラ総研と北京凱美莱信息咨詢の専門調査員によるヒアリング及び関連文献、データベース活用による調査・分析
図●中国とインドのスマートフォン市場 <調査方法>富士キメラ総研と北京凱美莱信息咨詢の専門調査員によるヒアリング及び関連文献、データベース活用による調査・分析
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 調査会社の富士キメラ総研は、中国とインドにおけるスマートフォン市場に関する調査結果を発表した。それによると、中国のスマートフォン市場は、2014年に4.6億台に達し、2015年には5億台、2016年には5.5億台にまで拡大すると予測した。インドでは、2014年に1億台だった市場が、2015年には2億台、2016年には3億台への急拡大するという()。

 2014年の中国市場について、4Gの普及により拡大したが、激しい販売競争が展開され苦戦するメーカーも少なくなかったと分析。市場は、低価格化や需要拡大ペースの鈍化により、今後、低迷が予想されるという。そのため、多くの中国メーカーは、高いコストパフォーマンスを強みにして新興国をはじめ、新たな市場開拓を進めていると分析。

 これらの中国メーカーが、次なる市場として狙っているのは、インドや東南アジア、ロシアをはじめとする東欧、中南米など。中でも、インドは、中国に匹敵する人口であることやユーザーの大半がフィーチャーフォンであることから、2015年以降のスマートフォン市場において、中国に続くけん引役となると指摘している。

 一方、中国メーカーの最新動向では、中国市場の成長が鈍化し始めている中にあって、主要メーカーは海外展開を加速させ、出荷台数を伸ばしているという。XiamやHuawei、Lenovoでは、輸出を含め6000万台から7000万台規模にまで出荷実績が拡大。AppleやSamsung EI.の実績には及ばないものの、LG EI.やノキア、ソニーモバイルコミュニケーションズの実績をしのいで拡大していると分析している。

 また、インド主要メーカーの動向について、Micromaxを始めとするトップクラスのメーカーの出荷実績が1000万台を超えており、世界市場における存在感が増していると指摘。インドでは、2014年はフィーチャーフォンが主流であったが、2015年からは本格的にスマートフォンへのシフトが進むという。

 中国やインドのメーカーが高成長する一方で、同社は、大手グローバルメーカーは成長が鈍化していると分析。Appleは成長を維持したが、Samsung EI.やソニーモバイルコミュニケーションズ、HTCの2014年実績は、前年割れとなったという。規模が大きい中国市場において、中国メーカーとの競合激化が前年割れの原因と指摘している。

■変更履歴
記事公開当初、中国のスマートフォン市場としていた台数は、世界市場の台数です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2015/04/3 15:40]