図●国内ユーザー企業におけるビッグデータへの取り組み状況
図●国内ユーザー企業におけるビッグデータへの取り組み状況
(出所:矢野経済研究所)
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 シンクタンクの矢野経済研究所は2016年3月31日、国内企業のビッグデータ関連のIT投資について調査した結果を発表した。それによると、2015年度の国内企業によるビッグデータ関連投資額は535億円に達した。

 企業のビッグデータへの取り組み状況についても調査。それによると、「業務に取り込み済み」が2.4%、「試験的に運用中」が1.7%だった。

 同社は、現時点でビッグデータへの取り組みを進めているのは大企業が中心と分析。全体としては「限定的な取り組み」であると指摘した。その一方で、一部の企業ではより具体的かつ本格的なデータ活用が進んでいるという。

 現在注目されているIoTや人工知能(AI)といった新たな領域では、ビッグデータの活用の重要性が高まり、大量のデータがこれらの技術の進展に寄与していると指摘する。

 今後ビッグデータは、IoTやAIによる「データ駆動型経済」を実現するための技術基盤という位置付けへと進展していくと分析。サービス基盤の低廉化によりIoTの活用機会が増え、新技術の実用化によりAIの応用分野が広がるという。AI技術の産業適用はさらなる広がりをみせると推測する。

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