米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2015年3月24日までにまとめた米国オンライン広告市場に関する調査によると、2015年における同国のモバイル広告支出額は前年比50%増の287億2000万ドルとなり、オンライン広告全体の49.0%を占める見通し。これが2016年には同41%増の405億ドルとなり、全体に占める比率は60.4%に上昇すると、同社は見ている。

 同社の推計によると、2016年はモバイル広告への支出額がデスクトップ(パソコン)広告への支出額を初めて上回る転換点の年。デスクトップ広告への年間支出額は約250億ドルと、依然大きな部分を占めるが、今後数年はほぼ横ばいで推移する。これに対しモバイル広告は2桁成長し、オンライン広告全体に占める比率も年々拡大するという。

 その要因となるのが消費者需要の変化という。同社によると、米国成人が1日当たりモバイル端末に費やす時間は2013年時点で2時間19分だったが、2014年は2時間51分に増えた。一方パソコンは2時間19分から2時間12分に減っている。

 モバイル広告を種類別に見ると、ディスプレイ広告が引き続き検索広告を上回る見通し。2015年におけるモバイルディスプレイ広告への支出額は146億7000万ドルで、モバイル検索広告(128億5000万ドル)を上回るという。両者ともその後同様の水準で伸びるが、その差は徐々に広がっていくという。

 またeMarketerはモバイル広告を、モバイルアプリ広告(アプリ内広告)とモバイルWeb広告(ブラウザー表示広告)の2つに分類した調査も行っている。それによると、2014年におけるモバイルアプリ広告への支出額は136億7000万ドル(71.4%)、モバイルWeb広告は54億7000万ドル(28.6%)だった。これが2015年はそれぞれ207億9000万ドル(72.4%)、79億3000万ドル(27.6%)になると予測している。

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