米IDCが現地時間2016年3月17日公表したウエアラブル機器市場に関するリポートによると、2016年における世界出荷台数は1億1000万台となり、前年比で38.2%増加する見通し。ウエアラブル機器の年間出荷台数は今後も2桁台の伸びで増え続け、2020年には2億3710万台に達すると予測している。

 IDCが推計する2016年のタイプ別出荷台数は腕時計型とリストバンド型の合計が1億台で、前年の7220万台から38.5%増加する見通し。衣服型、アイウエア型、イヤウエア型といったこれ以外の形態の機器は980万台になるという。

 IDCによると現在のところ、米AppleのApple Watchや米GoogleのAndroid Wear端末といったスマートウオッチが注目されているが、今後は時計メーカーが手がける、“いくぶんスマート”な機能を備える「スマーター・ウオッチ」が台頭してくる可能性があるという。このタイプの機器は、従来の腕時計に活動量計や睡眠計などの簡素な機能を組み込んだもので、スマートウオッチのようにアプリを利用することはできない。このタイプの機器の利点は、メーカーがアプリの開発者やそのエコシステムなどを構築する必要がない点。またスマートウオッチのようにテクノロジー好きのユーザーではなく、一般のユーザーにも製品をアピールできるという。

 一方でスマートウオッチの市場は、一部の例外を除けばまだ初期段階にあり、各社の製品は今後も進化していくとIDCは分析している。例えば、見かけが従来の腕時計とそっくりのスマートウオッチや、スワイプやジェスチャー操作よりも簡素なユーザーインタフェース、スマートフォンのアプリに匹敵するスマートウオッチのアプリなどが登場する可能性があるとしている。

 同社が推計する2016年におけるスマートウオッチのOS別出荷台数は、Appleの「watchOS」が1400万台で最も多く、これにGoogleの「Android Wear」が610万台で続く見通し。このあとに韓国Samsung Electronicsの「Tizen」(320万台)、米Pebble Technologyの「Pebble OS」(200万台)などが続くと見ている。このうちwatchOSについては、第2世代モデル登場の噂とともに2016年の前半に需要がいくらか減速する可能性があるという。ただし、Apple Watchはその新モデルやエコシステムが奏功し、リポートの調査対象期間(2015~2020年)の大半は首位を維持するだろうとIDCは予測している。

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