調査会社のIDC Japanは2015年3月16日、国内サーバー市場の動向に関する調査結果を発表した。それによると、2014年通年の国内サーバー市場は、出荷金額で前年比1.7%増の4697億円、出荷台数で同0.4%増の57万台となり、金額と台数のいずれも微増にとどまった(図1)。

図1●国内サーバー市場の推移(出典:IDC Japan)
図1●国内サーバー市場の推移(出典:IDC Japan)
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 同社は、全体の出荷額が微増となった要因について、x86サーバーやスーパーコンピュータは前年から出荷額を増やしたものの、RISC&IA64サーバー(UNIXサーバー)、ビジネスサーバー、メインフレームがいずれもマイナス成長となったためと分析している。

 x86サーバーでは、円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことで平均単価が上昇し、結果的に出荷額が増加したと見ている。また、スーパーコンピュータでは、「地球シミュレータ」や大学の大型更新案件があり、出荷額が前年に比べ大幅に増加した。

 出荷台数では、「ODM Direct」が市場を牽引。ODM Directとは、クラウドサービスプロバイダーなどのユーザー企業がODMから直接調達するサーバーを指す。一方で、ODM Directを除いた台数では前年比でマイナス成長となったと分析している。

 同社は、2014年通年の国内サーバー市場のベンダー別出荷額についても調査。それによると、スーパーコンピュータの新機種である「SX-ACE」の大型案件を手掛けたNECが首位を獲得(図2)。2位は、x86サーバーとメインフレームが共に2桁のプラス成長となった富士通。3位はx86サーバーが2桁のプラス成長となったヒューレット・パッカード(HP)で、前年の4位から1つ順位を上げた。

図2●2014年の国内サーバー市場ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
図2●2014年の国内サーバー市場ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
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 また、同社は2014年第4四半期(10〜12月)の国内サーバー市場の動向についても調査。出荷額は前年同期比15.7%増の1338億円となったが、出荷台数では同2.9%減の14万3000台とマイナス成長となった。ベンダー別出荷額では、x86サーバーとRISCサーバーに加えてメインフレームが好調な富士通が首位を獲得(図3)。次いで、x86サーバーや「地球シミュレータ」案件が好調なNECが2位。x86サーバーとIA64サーバーがプラス成長となったHPが第3位となった。

図3●2014年第4四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
図3●2014年第4四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
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