調査会社のIDC Japanは2016年3月14日、国内企業におけるプリント/ドキュメント管理に関する調査結果を発表した。これは、企業におけるプリント管理やドキュメント管理を担当する800人を対象に、MPS(Managed Print Services)の導入状況やモバイル/クラウドプリントの導入状況などについて調査したもの。

 それによると、約半数の企業が5段階中下から2番目の「レベル2」で、「限定的導入」にとどまっていることが明らかになった。同社は、多くの企業において、プリント/ドキュメント管理に関する技術導入は進めたものの、その技術を活用するための社内教育や管理プロセス構築への対応が遅れていると指摘した。

 本調査は2015年11月に実施されたもので、その結果をIDC独自の手法である「IDC MaturiyScape」に基づいて分析。オフィスにおけるプリント環境について、「まったく導入していない」場合を「レベル0(未導入)」とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、「レベル1(個人依存)」、「レベル2(限定的導入)」、「レベル3(標準基盤化)」、「レベル4(定量的管理)」、「レベル5(継続的革新)までの5段階で評価した。

 その結果、調査した企業では、レベル1の成熟度を持つ企業が24.5%、レベル2が48.0%、レベル3が20.6%、レベル4が6.5%、レベル5が0.4%だったという()。同社では、企業の約半数が、レベル2(限定的導入)の成熟度にとどまっていると指摘し、この結果は、2014年10月に実施した調査とほぼ同等と分析した。

図●国内ユーザー企業のプリント/ドキュメント管理成熟度ステージごとの分布
図●国内ユーザー企業のプリント/ドキュメント管理成熟度ステージごとの分布
出所:IDC Japan
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 なお、同社は今回の調査結果を、評価尺度別に詳細に分析。技術の点ではレベル3の企業が最も多く、意思統一ではレベル2、人員/プロセスの視点ではレベル1が最も多いという結果になった。国内ユーザー企業では、プリント関連技術の導入は積極的に推進しているが、その技術を活用するために必要な各種教育活動の実施や管理プロセスの整備といった対応が遅れている傾向があるという。

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