シンクタンクの矢野経済研究所は2016年3月14日、国内のスマートフォン向けゲームに関する調査結果を発表した。それによると2014年度のスマホゲーム市場(メーカー売上金額ベース)は前年度比59.8%増の8950億円へと大きく伸長した(図)。2012年リリースの「パズル&ドラゴンズ」、2013年リリースの「モンスターストライク」などのゲームアプリの人気が継続し、市場を大きくけん引したという。
同社は、スマホゲームの市場規模が2011年度にはわずか480億円程度に過ぎなかったが、この4年間で急拡大したと指摘。その背景には、国内のスマホゲーム市場が非常に速いスピードで変化していることがあるという。同社では、今後も新たな手法で人気を集めるゲームが登場する可能性が十分にあると分析している。
その一方で、現在の市場環境では家庭用ゲーム機向けの開発と同等の技術力が求められ、開発期間の長期化にともなうコストの増大や人員の確保、開発ライン数の多さといったことが課題として挙げられるという。同社は、これらの要件を満たすことのできる企業が限られていると指摘。有力なコンテンツを保するゲームメーカーによる市場の寡占化が進むと予測した。
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