調査会社のガートナー ジャパンは2016年3月9日、企業におけるERPアプリケーション統合への取り組みに関する調査結果を発表した。それによると、企業においてERPアプリケーション統合へのニーズが高まる中、2018年末までに統合に関する戦略と実行能力がない企業は90%以上も達するという。

 同社では、統合に関わる課題を戦略的に解消しない限り、ERPアプリケーション統合の複雑さとコストがコントロール可能な限度を超えてしまうと指摘。統合がもたらすメリットも雲散霧消してしまうという。その結果、同社は統合環境の複雑さが高まり、コストも向上すると分析している。

 同社では2017年までには、企業のIT部門の75%がERPアプリケーションにおける「堅牢性」と「流動性」の双方を重視したバイモーダルな対応力を備えるようになると指摘。一方、現在ではCIOの40%近くがバイモーダルに向けた取り組みの途上にあり、他のCIOについても大部分が今後3年間で追随する予定にあると分析している。多くの企業がこうした変化によって混乱をきたすことになるという。

 その理由として同社では、移行のスピードが速すぎるのではなく、「2つのモードをどこに適用すればよいのかを理解できていない」ことにあると分析した。

 なお、同社はERPベンダーとSIは今後、導入アプローチの質を高め、自社独自の導入方法論の刷新でスピードアップを実現できると指摘。価値を具現化するための活動に焦点を当てる必要があると提言した。

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