図●日本市場におけるDWH用DBMS市場規模の推移と予測
図●日本市場におけるDWH用DBMS市場規模の推移と予測
(出所:ITR)
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 シンクタンクのアイ・ティ・アールは2016年2月23日、国内のデータウェアハウス用データベース管理システム(DWH用DBMS)に関する調査結果を発表した。それによると、DWH用DBMSの市場規模は2014年度に前年度比30.4%増と急速に拡大し、33億円に達した。同社では、2015年度も同市場が急成長維持すると分析。同31.5%増の44億円にまで成長すると予測した。

同社は、2016年度以降も同市場が順調に拡大していくと分析。2016年度には同22.7%増の54億円、2017年度には同16.7%増の63億円、2018年度には同12.7%増の71億円、2019年度には同8.5%増の77億円に達すると予測した。

 同社は、DWH用DBMSの市場をSaaSとパッケージに分けて調査。それによると、2013年度まではパッケージでの導入が主体だったが、2014年度からはSaaSでの導入が拡大した。2014年度には、SaaS市場が前年度から4倍に急伸して4億円に、パッケージ市場も同18.8%増の29億円に達した。

 同社は、2015年度も市場が急拡大を見せる背景について、ヒューレット・パッカードやAmazon Web Servicesの急成長が主な要因となっているとした。IoTやビッグデータへの注目度の高まりによる、データ活用環境の強化に対する投資が着実に増加しているという。

 同社は、今後のパッケージとSaaSの割合の推移について、2018年度にはSaaSがパッケージを上回ると予測。現在では、Amazon Web Servicesの「Amazon Redshift」がSaaS市場の拡大を牽引しているが、2014年12月にはIBMが「IBM dashDB」を出荷開始したのをはじめ、2016年春にはマイクロソフトも「Azure SQL Data Warehouse」の出荷を予定している。こうしたことを背景に今後、SaaS市場の競争が激化していくとしている。

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