調査会社のIDC Japanは2015年2月23日、国内ビジネス市場におけるタブレット/スマートフォン/PCの利用実態と稼働状況の調査結果を発表した。それによると、2013年のビジネス市場におけるタブレットの稼働台数は約240万台、スマートフォンは約280万台、PCは約3700万台に達したと推計。タブレットの稼働台数は、2013〜2018年にかけて年平均34.5%の高い成長率で推移し、2018年には約1070万台にまで増加するという。

 同社は、企業によるタブレットの導入率についても調査。それによると、導入率は30.9%で、約3社に1社がタブレットを導入していると分析。一方、全従業員数に対する社内導入率は6.6%と非常に低く、企業内におけるタブレットの導入はまだ進んでいないと指摘している。従業員数に対するタブレットの導入率が高い産業分野は、「金融」「流通」「サービス」「通信/メディア」の4分野で、約11%に達した()。一方、「政府/公共」「教育(学校)」では約2%と導入が遅れている状況が浮き彫りになった。

図●産業分野別のタブレット導入計画(従業員数に対する比率)
図●産業分野別のタブレット導入計画(従業員数に対する比率)
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 ただし、今後の導入計画についての調査を踏まえると、2018年には全産業分野で導入率が約11%になると分析。全産業分野の中でも、通信教育などの「教育産業」がタブレットの導入に最も積極的で、2018年には約4分の1近くの生徒にタブレットが導入されると同社は見ている。「教育産業」では通信教育や学習塾でタブレットを使い、授業を効果的に進めようと考えているため導入率が高まると指摘する。

 また、「サービス」「流通」は、産業として従業員数が多いこと、タブレットの導入に積極的であることから、多くのタブレットが活用されているという。2014年には稼働台数が最も多い産業分野となり、これら2つの産業でタブレット稼働台数の約63%を占めると分析している。なお、「サービス」の中では「一般サービス」が最も大きな市場だが、地下鉄の案内やメンテナンスなどで既にタブレットを導入している「運輸/輸送サービス」が、今後の有望な市場であると指摘した。

 同社は、今後の企業で従業員当たりのタブレット導入率を高めるためには、どのような成果を測定するか初期導入段階に決めてから導入を開始することが必要だと指摘している。

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