米Gartnerが現地時間2016年2月18日に公表したスマートフォンの世界市場に関する調査によると、2015年第4四半期(10~12月)の世界販売台数は4億311万台で、前年同期から9.7%増と、2008年以来最も低い伸び率となった。

 メーカー別の販売台数は、韓国Samsung Electronicsの8344万台が最も多かった。これにAppleの7153万台が次ぎ、このあと中国Huawei Technologies(華為技術)の3212万台、中国Lenovo Group(聯想集団)の2001万台、中国Xiaomi(小米科技)の1822万台と続いた。

 このうち販売台数が増えたのはSamsungとHuaweiのみで、それぞれの前年同期比伸び率は14.2%と52.7%だった。これに対しAppleの販売台数は同4.4%減となり、四半期販売台数が初めて前年実績を下回った。

 ただしSamsungは高価格帯端末の市場で販売が低迷しているという。今後この分野の落ち込みを止めるには、Appleに対抗できる新たな旗艦モデルを市場投入し、消費者のiPhoneへの乗り換えを食い止める必要があると、Gartnerのリサーチディレクター、Anshul Gupta氏は指摘している。一方でHuaweiの前年同期比伸び率は過去最高となった。同社は海外市場でブランド力を高めたほか、年間の平均販売価格が上昇した。

 このほか、2015年1年間のデータを見ると、同年の世界販売台数は14億2390万台となり、前年から14.4%増加した。メーカー別販売台数は、Samsungが3億2022万台となり、これにAppleの2億2585万台が次いだ。3位はHuaweiの1億409万台。4位と5位は、Lenovoの7275万台とXiaomiの6562万台だった。

 Samsungは首位を維持したものの、その前年比伸び率は4.1%にとどまり、市場シェアは前年の24.7%から22.5%に低下した。これに対しAppleの販売台数は前年から18%伸びた。Appleの市場シェアは前年の15.4%から15.9%へと上昇し、Samsungとの差を縮めている。またHuaweiの年間販売台数は1億台の大台を超え、その前年比伸び率は52.9%と、どの上位メーカーよりも高かった。

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