調査会社のMM総研は2015年2月5日、日本と米国のウェアラブル端末の市場に関する調査結果を発表した。それによると、日本国内のウェアラブル端末の市場規模は、2015年度に134万台にとなり、その後も順調に拡大。2020年度には573万台にまで達すると予測した(図1)。
現段階では、身体データを収集して健康状態を確認できるリストバンド型の端末や、頭部に装着して周辺を撮影できるウェアラブルカメラの利用が中心だが、今後はアップルの腕時計型端末「Apple Watch」などが市場をけん引していくという。
同社は、日本と米国のスマートフォン所有者を対象に、ウェアラブル端末について、「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」「知らない・わからない」の4段階で調査。「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」を合わせて「知名度」とした調査結果を発表した。それによると、日本での知名度は48.9%だったのに対し、米国では94.2%と大きく上回った(図2)。
製品別の知名度では、Apple Watchが日本で58.2%、米国で89.2%。ソニーモバイルコミュニケーションズのSmartWatchが、日本で43.3%、米国で83.6%となり、個別製品の知名度も米国のほうが高かった。
また、同社は、ウェアラブル端末市場で今後、期待する日米の企業についても、複数回答で調査した。それによると、メガネ型端末は、日本ではグーグルが20.0%、アップルが18.4%、ソニーが13.4%であるのに対し、米国ではグーグルが56.4%、アップルが33.6%、サムスンが28.6%となった。日米ともにグーグル、アップルへの期待が高いが、日本ではソニー、米国ではサムスンに対する期待も高かった。
一方、ウェアラブル端末をどんなシーンで利用してみたいか種類別に調査したところ、メガネ型端末は、日本では「地図を表示してルート検索をしたり、道案内をしたりする」が31.4%とトップだったのに対し、米国では「目の前にある風景を撮影して、SNSで共有する」が41.2%と最も多かった。腕時計型端末は、「天気予報を教えてくれる」が日本で25.2%、米国でも46.8%といずれもトップだった。
同社は情報漏えいやプライバシー侵害などに対して不安を感じているユーザーが多いことも指摘。事業者から個人情報が漏れることに関しては、「不安に感じる」「やや不安に感じる」の合計が、日本では66.2%、米国では61.8%に上った(図3)。
ウェアラブル端末を利用していない場合でも、端末所有者による盗撮や追跡が有り得るが、その不安は日本が67.2%、米国が65.2%で両国とも高かった。同社は、前回調査より不安感は減少しているものの、依然として普及に向けた課題であることを指摘している。
[MM総研の発表資料へ]