図1●企業のSDN導入/検討状況(DC/サーバールーム)
図1●企業のSDN導入/検討状況(DC/サーバールーム)
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図2●企業のSDN導入/検討状況(企業内LAN/WAN)
図2●企業のSDN導入/検討状況(企業内LAN/WAN)
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 調査会社のIDC Japanは2015年2月4日、国内SDN(Software-Defined Network)市場に関する調査結果を発表した。

 それによると、一般企業のデータセンター(DC)/サーバールームにおけるSDNの導入・検討状況では、「すでにネットワーク全体に導入した」が11.3%、「一部には導入した」が18.6%となった。両方を合わせると全体の約30%の企業が、DC/サーバールームの全体もしくは一部においてすでに導入していることが明らかになった(図1)。

 一方、企業内LAN/WANにおいては、「すでにネットワーク全体に導入した」が10.8%、「一部には導入した」が16.8%となり、約30%の企業がLAN/WANの全体、もしくは一部にSDNを導入していることが分かった(図2)。

 同社は、SDNが実用期に入り、顧客側ではすでに明確な目的に沿った導入を始めていると指摘。SDN技術の導入に適したユースケースが明確になり、広がりも見せてきていることから、ネットワークの課題を解決するための選択肢の一つとしてSDNを考慮する段階に移行しているという。

 同社は、企業のDC/サーバールームにおけるSDNの導入状況について、今後の導入を検討している企業の割合についても調査。それによると、「1年以内に導入を始める」が11.3%、「1年後以降の導入が決定した」が2.4%、「導入する方向で検討中」が11.3%となった。

 一方で、「導入するかどうか検討中」は22.3%、「導入しない」と回答した企業も22.7%に上った。また、企業内LAN/WANにおいて、今後、SDNの導入を検討している企業については、「1年以内に導入を始める」が9.8%、「導入する方向で検討中」が13.3%となった。「導入するかどうか検討中」は24.1%、「導入しない」は22.0%となり、約半数の企業はLAN/WANでSDNを導入するかどうかについて、明確には決めていないという結果となった。

 同社は、データセンター事業者は今後、クラウドを利用する企業にどのようなベネフィットをもたらすことができるかを意識して、ソリューション開発を進めるべきだと指摘。オペレーションの効率化や既存技術の課題克服だけでは訴求力としてはもはや十分ではなく、顧客がこれまでに実現できなかった、セキュリティ管理の圧倒的な効率化や、物理と仮想環境の真にシームレスな接続の実現などが求められていると指摘した。

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