デジタル印刷市場規模推移と予測
デジタル印刷市場規模推移と予測
(出所:矢野経済研究所)
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 シンクタンクの矢野経済研究所は2016年2月2日、国内のデジタル印刷市場に関する調査結果を発表した。2015年度の市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比29.4%増の3847億円に達すると予測。一方、2016年度は同19.0%減の3115億円に縮小すると分析した。

 2013年度からの市場推移についても調べた。2013年度の市場規模は、同6.2%増の2876億円と堅調に推移した。背景には経済環境や企業業績の回復傾向を受け、特に金融業の顧客からのDPS、BPO案件の受託が増加したことがあるという。少額投資非課税制度(NISA)関連の需要もあったと指摘。2014年度も引き続き、金融業からの受託案件が増加したことで、同3.4%増の2973億円へと堅調に拡大した。

 2013年度と2014年度の堅調傾向は2015年度も継続するとみる。特に、マイナンバー制度関連の通知業務の需要を取り込むことで、市場規模は大幅に拡大し、3847億円にまで増大すると予測している。

 一方、2016年度には同市場は急速に縮小するという。マイナンバー制度関連の通知業務の需要が一過性のものと指摘する。市場規模は前年度から大幅に減少するという。一方でマイナンバーの収集業務の需要は今後も拡大すると分析した。同社では、2016年度の市場規模について、「2015年度比では大幅な縮小」となるものの、「2014年度比では拡大する」見通しと指摘している。

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