調査会社の富士キメラ総研は2015年1月30日、中国とインドの携帯電話メーカーの最新動向に関する調査結果を発表した。それによると、2011年以降、スマートフォンのグローバル市場において中国市場が占める割合が急速に拡大。2014年末までに全世界市場の35.4%を占めるまでに至った。

 中国市場の急拡大に歩調を合わせて、中国メーカーの海外市場でのプレゼンスも高まり、2014年にはグローバル市場に占める中国ローカルブランドのシェアが約30%になったという。これは、かつてノキアやサムスンが世界トップだったときのシェアと同等。同社では携帯電話業界のパラダイムシフトが始まっていると指摘している。

 同社は、中国メーカーの強みを低価格化戦略が得意であることと分析。その強みを生かし、中国国内市場では約70%を中国ローカルブランドが占め、さらに、中国に次ぐ人口規模を有するインド市場にも進出しているという。インドでは、2014年にスマートフォンが1億台市場となり、2016年には3億台に至る見通し。Micromax、LAVA、Karbonn、Spice Mobility、Maxxのようなインドローカルブランドと、それらのOEM/ODM/IDHとして生産を担っている中国メーカーが、インドの急速な市場拡大を支えているという。

 同社は、中国メーカーが、ローエンドに強い一方で、ハイスペックのトレンドもけん引するようになってきているとも指摘。ガラパゴスと称される日本市場を除き、グローバル市場の最新スペックにおいては、中国メーカーがデバイスメーカーの最優先顧客として認識されているという。その要因について、自社ブランド力の向上に際して最新デバイスを積極的に採用する動きが強くなっているためと指摘した。

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公開当初、第3段落で「インドでは、2014年にスマートフォンが1億円市場となり」とあったのは、正しくは「インドでは、2014年にスマートフォンが1億台市場となり」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2015/2/9 10:30]