米IDCが現地時間2015年1月29日に公表したスマートフォン市場に関する調査によると、2014年第4四半期(10~12月)の世界出荷台数(速報値)は前年同期比28.2%増の3億7520万台となり、四半期出荷台数の過去最高を更新した。また2014年の年間出荷台数は前年比27.6%増の13億110万台で、これまでの年間出荷台数記録を更新した。

 2014年第4四半期のメーカー別出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが7510万台で首位を維持し、これに米Appleが7450万台で次ぎ、このあと、中国Lenovo Group(聯想集団)の2470万台、中国Huawei Technologies(華為技術)の2350万台、中国Xiaomi(小米科技)の1660万台と続いた。

 このうち、Samsungは前年同期比11.0%減で、同社の出荷台数は上位5社の中で唯一前年割れとなった。これに対しAppleは同46.0%増(関連記事:Appleの10~12月期決算は大幅な増収増益、iPhone販売が過去最高)。昨年9月に発売した「iPhone 6」と「同6 Plus」の販売が好調で、1年前に3300万台以上あったSamsungとAppleの出荷台数の差はわずが60万台に縮まった。

 IDCによると、Appleは過去3年にわたりSamsungに次ぐ2位に座にいるが、ここに来てようやくSamsungと肩を並べるまでに差を縮めた。iPhoneの継続的な成長とSamsungが直面する課題を考え合わせると、Appleは2015年中にSamsungを追い抜く可能性があるという。Samsungは、第4四半期と年間の出荷台数でいずれも首位を維持した。だが同社は高価格帯端末の分野ではAppleから、中・低価格帯端末の分野でXiaomi、Huawei、中国ZTE(中興通訊)などから、競争圧力を受けていると、IDCは指摘している。

 なお、IDCによるとスマートフォン市場は成長が鈍化している。2013年は出荷台数が初めて10億台の大台を突破し、前年比伸び率が40.5%となるなど急成長していた。これと比較すると2014年の成長率は著しく低下した。この傾向は今後も続き、2015年は10%台の半ばから後半の伸びにとどまるとIDCは見ている。その一方で世界人口の多くは、まだ携帯電話やスマートフォンを所有しておらず、成長機会は存続すると、IDCは指摘している。

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